公務員試験 H30年 国家一般職(農学) No.1 解説

 問 題     

農業における雪害と寒害に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.果樹が降雪によって雪中に埋まると、積雪の沈降力によって枝が折損したり、幹の分岐点から裂けるなどの被害を受ける。さらに果樹棚も崩壊して被害が拡大することがある。

2.雪害は、積雪の力学的作用による農作物や農業施設への直接被害又は生育環境への影響から来る生理的な直接被害のみを指す。被害の程度は、積雪量の多少が大きく関係しており、降雪時の雪密度などの雪質による影響は受けない。

3.新雪面の光反射率は 5 % 程度であり、光透過率が高いことから深さ 1 m 程度まで光合成に十分な光を得られる。積雪下の作物は、過湿や通気性の低下によって衰弱する。

4.積雪下の麦類は、縞萎縮病菌が侵入して被害を受けることがある。播種期が遅れて生育量の小さいものや、排水不良で融雪水が滞留する圃場で被害が多く、品種間差は小さい。

5.寒害の発生には作物の耐凍性が関係しており、作物体内の糖分がデンプンに変わることで耐凍性が高まる。耐凍性が高まることをデハードニング、低下することをハードニングという。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
果樹の雪害に関する記述です。

選択肢 2 ですが
雪害は、大きく直接被害と間接被害に分けられます。間接被害とは、長期間の積雪により、夏作物の作付期間が短縮され,作付制限や減収を招くことです。また、雪密度などの雪質による影響もあると考えられます。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
新雪が降り積もった晴天の日を考えれば、光がキラキラ反射しているのを思い出すのではないでしょうか。新雪の光反射率は、本試験時点における気象庁 の発表によれば、80% 程度です。ちなみにアスファルトでも 10% 程度はあります。 新雪が 5% 程度は低すぎると判断したい内容です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが

縞萎縮病の対策として、抵抗品種利用があり、「品種間差は小さい」とはいえないと考えられます。(参考 H29no25 選択肢 1)。https://yaku-tik.com/koumuin/h29-nougaku-25/ 選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
耐凍性が高まることがハードニング、耐凍性が低下することがデハードニングです。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

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