公務員試験 H30年 国家一般職(高卒 技術) No.87解説

 問 題     

鉄筋コンクリート構造の耐震計画に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「地震に耐えるように計画することを耐震計画といい、柱や梁を強くしたり、耐力壁を設けたりするなどの方法がとられる。耐力壁は、平面的に縦・横両方向にバランスよく配置し、 ㋐をできるだけ近づけ、上下階とも同じ位置に配置することが大切である。

また、構造規模や形式などの異なる構造が接続する建築物では、接続部分の躯体を切り離して、 ㋑を設け、温度変化による伸縮や地震による振動の違いなどに対応する必要がある。

㋒構造は、一般に、地盤に直接支持されている基礎と建物上部との縁を切ることによって、地震による建築物の揺れを減らす構造である。」

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1. 重心と剛心 エキスパンションジョイント 免震
2. 重心と剛心 エキスパンションジョイント 制震
3. 重心と剛心 デッキプレート 制震
4. 重心と図心 エキスパンションジョイント 免震
5. 重心と図心 デッキプレート 制震

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

㋐ですが
「剛心」とは、水平力に対抗する力の中心」です。
地震力により、水平方向の変形に加え、剛心周りに回転します。地震力は重心に作用すると考えられるため、重心と剛心の距離が小さいことが耐震設計において重要になります。重心と剛心の距離は「偏心距離」と呼ばれます。㋐は「重心と剛心」です。正解は 1~3 です。

㋑ですが
デッキプレートは、やや大きな角波形の鋼板です。床材などに用いられます。地震による振動の違いなどに対応する場合に用いるものではありません。㋑は「エキスパンションジョイント」です。

㋒ですが
記述は免震です。「地震の揺れをそもそも伝えないようにする」のが免震です。一方「制震」は、揺れを建物内部機構により減少させることです。具体的には内部におもりやダンパーを組み込むことで実現します。

以上より、正解は 1 です。

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