問 題
土木材料として用いられる鋼材に関する次の記述の ㋐,㋑,㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
「鋼材は,物体に加えた外力を取り除くとひずみが消え,元の形に戻る ㋐ と外力を取り除いてもひずみが残る ㋑ の性質をもつ。
また,図は,鋼材の引張応力度とひずみの関係を表したものであり,設計に用いる許容引張応力度は,一般に, ㋒ の値を用いる。」
㋐ ㋑ ㋒
1.靱性 延性 A
2.靱性 塑性 C
3.弾性 延性 B
4.弾性 塑性 A
5.弾性 塑性 C
正解 (4)
解 説
弾性は、力を加えると変形するが、力を除くと元に戻る性質のことです。
塑性は、具体的には展性、延性です。たたいたら、伸びたり広がったりする、という変形のことです。いいかえると、力を除いてもひずみが残る性質です。
㋐が弾性です。
ちなみに、靭性とは粘り強さのことです。
㋑が塑性です。
㋒ですが
応力をあげていくと、塑性変形が始まります。これを降伏点といいます。(Aの少し先でかくっと落ちている点が「上降伏点」。下降伏点もあるのですが、区別せず降伏点と呼ぶこともあります。)降伏点以下の範囲に許容引張応力は設定します。よって ㋒は A です。
ちなみに、引き続き応力を大きくすると、塑性変形している物質をさらに変形させようとするために、応力の増加が更に見られます。これを加工硬化 or ひずみ硬化と呼びます。B より少し先からまたぐっと大きくなっている部分です。ある程度で最大応力となり、その後急激に変形に必要な力が減少し、破壊されます。
以上より、正解は 4 です。
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