H30年 国家一般職(高卒 技術) No.69 土木基礎力学 解説

 問 題     

図のように、高さ 8.0 cm の土試料に 25 kN/m2 の等分布荷重をかけ、十分に時間を経過させたところ、土試料が圧密された。土試料の圧密前の間げき比が 2.2、圧密後の間げき比が 2.0、体積圧縮係数が 2.5 × 10-3 m2/kN であったとき、この土試料の圧密量はおよそいくらか。

1. 0.4 cm
2. 0.5 cm
3. 0.7 cm
4. 0.8 cm
5. 1.0 cm

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

圧密とは、土の自重により間隙水の排出を伴って体積減少することです。本問は、与えられた間隙比だけで解ける問題です。(他の値 25 kN/m2、体積圧縮係数  2.5 × 10-3 m2/kN は、いわゆるダミーの値と考えられます。一応これらの値を活用して解く方法は別解として紹介します)

間隙比が 2.2 ということは、土粒子の部分を 100 とすれば、間隙部分が 220 ということです。それが 間隙比 2.0 になっています。土粒子の部分は変わりません。従って、間隙部分が 200 と表すことができます。

全体が 320 → 300 になっているので、減少したのは 20/320 と表すことができます。高さが 8 cm だったので 8 × 20/320 = 160/320 = 0.5 cm です。

以上より、正解は 2 です。

 

[別解]

圧密による沈下量を S (m)とします。
S = mv・Δp・H が公式です。
※mv:体積圧縮係数、Δp:荷重による増加分の圧力、H:圧密層の高さ

mv = 2.5 × 10-3、Δp = 25、H = 0.08 (m) を代入すれば
S = 0.005 m = 0.5 cm です。

コメント