公務員試験 H29年 国家一般職(農学) No.1解説

 問 題     

水田における除草剤や雑草に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.除草剤の処理方法の一つである茎葉処理は,除草剤を予め土壌に施用しておくことで,生育期の雑草に効果を示すものである。非選択性除草剤の場合は,全面施用し,選択性除草剤の場合は,水稲にかからないように処理する。

2.除草剤の効果を十分に上げるためには,栽培管理が極めて重要である。除草剤の処理層は地表から5 ~ 6 cm の深さに形成されるので,苗は浅植えにする。また,薬剤散布後は,処理効果を高めるために数日間落水する。

3.水田雑草には,種子だけで繁殖する1 年生雑草のオモダカ,クログワイや,種子のほかに地下茎などによって繁殖する多年生雑草のタイヌビエ,カヤツリグサなどがある。一般に,多年生雑草に比べて1 年生雑草の方が,除草が困難である。

4.水口処理とは,水田の水口付近に薬剤を置き,入水時に水田内に拡散させるものである。水口処理には,粒剤タイプの除草剤が利用可能である。水田に水口が複数か所ある場合でも水口1 か所からの処理でよく,水管理に注意を払う必要が少ない省力的技術である。

5.除草剤の体系処理とは, 1 回の処理では栽培期間全体を通した防除効果が不十分な場合に, 2回以上の処理を行う方法である。発生する雑草の種類や量が多い場合や,必要除草期間が長い場合などに用いられる。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが
記述は「土壌処理剤」についてです。茎葉処理は、雑草の地上部に除草剤をかけます。また、非選択性の場合、水稲にかかると稲が枯れてしまうので、水稲にかからないようにします。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
浅植えは避けます。また、処理層安定化のため、薬剤散布後数日間は「灌水」を維持します。数日間落水ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
一般に多年生の方が除草が困難です。オモダカ、クログワイは代表的多年生雑草です。タイヌビエ、カヤツリグサは一年生です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
粒剤ではなく、顆粒のフロアブルタイプなどが利用可能です。よって、選択肢 4 は誤りです。

以上より、1~4が誤りなので、正解は 5 です。

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