公務員試験 H29年 国家一般職(高卒 基礎) No.35解説

 問 題     

各国の政治体制に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.議院内閣制は,ドイツで発展した制度であり,我が国や英国で採用されている。これらの国では,首相は直接選挙によって選ばれる。

2.我が国の内閣総理大臣は,日本国憲法下では,他の国務大臣と対等の存在とされ,同輩中の首席という地位に置かれている。

3.大統領制を採用する米国の議会は,上院と下院から構成される。大統領は議会を解散する権限を持つが,議会は大統領に対する弾劾を行うことができない。

4.中国では,立法府である全国人民代表大会(全人代)が国家の最高機関とされている。また,国家主席が元首である。

5.フランスは,大統領と首相が併存する半大統領制を採る。議会が選出するフランスの大統領は,ロシアの大統領と異なり,政治的な実権を持っていない。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが、議院内閣制はイギリス発祥です。また、首相は議会によって選ばれます。直接選挙ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが、内閣総理大臣は、国務大臣への指揮命令権、任免権を有します。対等の存在ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが、米国大統領は、国民に対してのみ責任を有します。議会解散権はありません。一方で、議会も大統領を弾劾できません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、妥当な記述です。

選択肢 5 ですが、フランス大統領は「三権の総覧者」として、議会解散権、閣僚任命権などを有します。「政治的実権がない」というのは明らかに誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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