公務員試験 H29年 国家一般職(高卒 基礎) No.26解説

 問 題     

19 世紀のアメリカ合衆国に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.19 世紀初めには列強の中国進出が進んだが,アメリカ合衆国はこれに反対し,大統領モンローが,ヨーロッパと中国との相互不干渉を唱えた。

2.アメリカ合衆国の南部では商工業が発達し,奴隷制の維持と保護貿易の立場が採られ,南部を地盤とする共和党が結成された。

3.アメリカ=スペイン戦争の結果,アメリカ合衆国は,スペインから独立したハイチを事実上の保護国としたほか,ハワイやアラスカを獲得した。

4.19 世紀末には国内のフロンティアが消滅し,初めて大陸横断鉄道が建設されたが,アメリカ合衆国は海外進出には消極的で,第1 回パン=アメリカ会議に欠席した。

5.南部諸州がアメリカ連合国を結成し,南北戦争が起こったが,これに対し,大統領リンカンは奴隷解放宣言を発して世論を味方に付け,勝利を収めた。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが、モンローが唱えたのは、アメリカ合衆国とヨーロッパ大陸間の相互不干渉です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが、当時の共和党は、奴隷制反対を唱え、北部が地盤です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが、1898 年の米西戦争では、アメリカがキューバの対スペイン反乱に介入し、結果として、アメリカ勝利、フィリピン、プエルトリコ、グアムを獲得しました。ハワイやアラスカではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが、パン=アメリカ会議は、アメリカ合衆国主導の、南北アメリカ諸国の緊密な関係構築が理念である会議です。背景には、アメリカの自国の工業化進展に伴い、原料等の供給地として中南米地域が重視されたことがあげられます。よって、選択肢 4 は誤りです。

以上より、1~4誤りなので、正解は 5 です。

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