公務員試験 H29年 国家一般職(高卒 基礎) No.25解説

 問 題     

次は,大気と海洋の相互作用に関する記述であるが,A~Eに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

ペルー沖の海面水温が, 2 ~ 5 年程度の間隔で高くなることがあり, A として知られている。通常は低緯度ではB が吹いているため,温かい海水がインドネシア周辺の西太平洋域に蓄積する。

そして,ペルー沖の東太平洋域には,深層から冷水が湧き上がり海面水温が低くなっているが,何らかの原因でB が弱まると,西から暖水塊が運ばれて海面水温が上昇し,A が発生する。

一方,それとは反対に,海面水温が平年より低い状態が続くこともあり,C と呼ばれる。

通常,熱帯赤道域で上昇した空気塊が亜熱帯で下降することで太平洋高気圧が形成されているので, A が発生すると,夏季には太平洋高気圧の勢力が弱くなる傾向があり,また,冬季には大陸の高気圧が弱まるので,日本はD となる傾向がある。

一方, C が発生すると,西太平洋熱帯域での対流活動が強まるため,夏季には太平洋高気圧の勢力が強まり,日本付近はE となる傾向がある。

     A      B      C      D   E
1.エルニーニョ現象 偏西風 ラニーニャ現象  厳冬 冷夏
2.エルニーニョ現象 貿易風 ラニーニャ現象  厳冬 冷夏
3.エルニーニョ現象 貿易風 ラニーニャ現象  暖冬 猛暑
4.ラニーニャ現象  偏西風 エルニーニョ現象 厳冬 猛暑
5.ラニーニャ現象  貿易風 エルニーニョ現象 暖冬 冷夏

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

海面水温の上昇→エルニーニョ、水温低下→ラニーニャです。エルニーニョがおきると、冷夏、暖冬と、季節感がなくなる方向に働きます。ラニーニャがおきると、猛暑、厳冬と、季節感が強まる方向に働きます。

以上より、正解は 3 です。

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