公務員試験 H29年 国家一般職(化学) No.9解説

 問 題     

α 粒子及び α 崩壊等に関する、次の記述の ㋐、㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「図のように、同種の二つの原子核 A をそれぞれ等しい運動エネルギーで互いに逆方向から正面衝突させたところ原子核反応が生じてネオン (2010Ne) 原子核と α 粒子が生成され、同一直線上の反対方向にそれぞれ放出された。

放出されたネオン原子核の運動エネルギー ENeに対する、α 粒子の運動エネルギー Eαの比 ENe/Eα は 5 であった。衝突前後においてこの系の運動量は保存されることから、α 粒子は質量数(陽子数と中性子数の和)が( ㋐ )の原子核であると考えられる。

放射性原子核 23592U は α 崩壊及び β 崩壊を繰り返し、最終的に安定な原子核 20782Pbになる。α 崩壊は α 粒子を一つ放出するため、α 崩壊した原子核は α 粒子の分だけ陽子数、中性子数がそれぞれ減少する。また、β崩壊では、原子核中の一つの中性子が陽子に変化し原子核から β 線(電子)が放出される。

このことから、23592U が 20782Pb に至るまでの α 崩壊の回数は ( ㋑ ) 回であることが分かる。」

㋐  ㋑
1.2 5
2.2 7
3.2 14
4.4 5
5.4 7

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

α 粒子が、He 原子の原子核であることは基本知識です。陽子数 2 個、中性子数 2 個なので、質量数は 4 です。正解は 4 or 5 です。

選択肢 4 を正解と仮定します。α崩壊 5 回とすれば、陽子数が 10、中性子数が 10 減ります。質量数は 215 のはずです。しかし安定な鉛原子核の質量数は 207 なので誤りです。

以上より、正解は 5 です。

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