問 題
社会調査の方法に関する記述A,B,Cのうち,妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
A.「相関関係」とは,二つの変数の関係を指す用語であるが,相関関係がある場合であっても,「因果関係」があるとは限らない。
B.量的調査は,調査対象全体について調査を行う全数調査と,一部を選び出して調査を行う標本調査に大別される。標本調査において,母集団を代表すると思われる標本を調査実施者が任意に選び出す方法が,最も結果に偏りが生じにくいとされている。
C.質的調査法とは,事例調査法,モノグラフ法,ライフヒストリー法などのような記述的な調査法の総称であり,統計調査に代表される量的調査法と区別される。
1.A
2.B
3.C
4.A,B
5.A,C
解 説
記述 A は妥当です。
相関関係とは、「一方が他方に何らかの関係性があり」、「一方が増加すると、もう一方も増加したり減少したりする」という関連性のことです。因果関係とは、「原因と結果の関係性」のことです。データから事柄同士の関係を考える時、非常に重要な視点です。
記述 B ですが
一文目は妥当です。全数調査と、一部を調査する標本調査です。標本調査において、標本に偏りがでないようにすることが重要です。「母集団を代表すると思われる標本」を実施者が任意に選び出すと、実施者の偏見が標本に偏りを生じさせると考えられます。対象に番号を付け、乱数生成で取り出すといった方法が偏りが生じにくいと考えられます。記述 B は誤りです。
記述 C は妥当です。
質的調査法と量的調査法は、扱うデータが数字として扱えるかどうかという違いに基づく分類です。ちなみにですが、扱うデータが数字でない質的調査法の結果に対しても「数量化」という手法を用いて、数値的に分析することができます。
以上より、正解は 5 です。
コメント