公務員試験 H29年 国家一般職(電気・電子・情報) No.21解説

 問 題     

誘電率 ε,半径 a の誘電体球の内部に電荷密度 ρ(ρ > 0)で一様に電荷が分布している。このとき,誘電体球の中心から r(r < a)の位置における電界の大きさ E 及び分極の大きさ P として最も妥当なのはどれか。ただし,真空の誘電率を ε0 とする。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

半径 r で閉曲面を考えると、まず体積が、球の公式より 4πr3/3 です。電荷密度が ρ なので、内部の電荷は 「4πr3/3 × ρ」 です。ガウスの法則を使います。(参考 H25no21

左辺は 「半径 r の 球の表面積 × E」 なので 4πr2× E です。右辺は「閉曲面中の全電荷/ε0」 なので (4πr3/3 × ρ)/ε0 です。∴ 4πr2E = (4πr3/3 × ρ)/ε0 となるため、E = ρr/3ε となります。これで正解は 1 とわかります。

ちなみに
誘電体中の電界の強さ「自由電荷の作る電界 E0 と、分極電荷が作る電界 EP の和」です。そして、誘電体の誘電率を ε = ε0 + χe とした時、分極ベクトル P = χeE と表すことができます。つまり P = (ε ー ε0)E です。先程求めたE = ρr/3ε を代入すれば、 ρr/3 × (1ーε0/ε)です。

以上より、正解は 1 です。

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