公務員試験 H28年 国家一般職(高卒 基礎) No.32解説

 問 題     

下線部のことわざ等の使い方が最も妥当なのはどれか。

1.困ったときに助けてあげたのに,石の上にも三年で,彼女はそのことをすっかり忘れている。
2.教授が発表した論文は,学界に一石を投じるものであり,大きな反響を呼んだ。
3.彼は反論をすることなく,大人しく石に漱(くちすす)ぎ流れに枕した
4.友人は石橋を叩いて渡る性格なので,準備を怠ることが多い。
5.今回の応募作品は,玉石混淆(こう)で,いずれも素晴らしい出来栄えだ。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが、「石の上にも三年」は、我慢強く辛抱すれば必ず成功する、という相当ポジティブなことわざです。「(冷たい)石でも、座ってしばらくすると暖かくなること」から転じた表現です。また「三年」は具体的な三年ではなく、「長い期間」を表しています。

選択肢 2 は、妥当です。「波紋を呼ぶ」と同義です。どちらも世界を池のような、何らかの媒質で満ちているものとして捉え、ある行動が全体に影響を及ぼす様子を表しています。

選択肢 3 ですが、「石に漱ぎ、流れに枕する」とは、負け惜しみが強く、こじつけて自分の意見を押し通そうとすること を表します。個人的には「無理はあるけど、めっちゃ頭きれっきれの返ししてくるね!」ぐらいの表現です。いい間違え(石に枕、流れに漱ぎ と言おうとした)を強引に意味づけた、中国の故事由来の表現です。

選択肢 4 ですが、「石橋を叩いて渡る」は、慎重という意味です。慎重→準備を怠る という流れは明らかにおかしいということです。石橋を叩きすぎて壊しちゃう などの派生もきいたことがあるかもしれません。

選択肢 5 ですが、「玉石混淆(こう)」は、混交とも書きます。いいのもわるいのも混ざってること を表します。玉が「宝石」の意味です。混ざっている→いずれも素晴らしい はおかしい流れ となります。

以上より、正解は 2 です。

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