公務員試験 H28年 国家一般職(化学) No.40解説

 問 題     

タンパク質を構成するアミノ酸に関する記述 ㋐~㋓ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ ロイシンはヒトの必須アミノ酸であり、その構造異性体であるイソロイシンもヒトの必須アミノ酸である。

㋑ セリンとトレオニンは、いずれも末端に水酸基をもつ中性側鎖アミノ酸であり、ヒトの必須アミノ酸である。

㋒ アルギニンは塩基性アミノ酸であり、生体タンパク質を構成するアミノ酸の中で最も高い等電点を示す。アルギニンはヒトの必須アミノ酸ではない。

㋓ フェニルアラニンとチロシンは、いずれも芳香環を含む非極性側鎖をもつアミノ酸で、ヒトの必須アミノ酸である。
 
1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋑、㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

本問は、アミノ酸の構造に関する記述は全てあっています。必須アミノ酸に入るかどうかだけがポイントです。必須アミノ酸とはヒトのタンパク質を構成する20 種類のアミノ酸のうち体内で十分量を合成できず栄養分として摂取する必要のあるアミノ酸です。必須アミノ酸について「雨降りバスとろい。ひ~。」というゴロが有名なようです。

め→メチオニン
ふ→フェニルアラニン
り→リジン
バ→バリン
ス→スレオニン = トレオニン
ト→トリプトファン
ロ→ロイシン
イ→イソロイシン
ひ→ヒスチジン
※「あ」に意味はありません。
 
記述 ㋐ は、正しい記述です。

記述 ㋑ は
セリンが必須アミノ酸ではありません。※スレオニンというのはトレオニンの別表記です。

記述 ㋒ は、正しい記述です。
ちなみに、アルギニン→リジン→ヒスチジン が特に等電点の高い 3 つのアミノ酸です。

記述 ㋓ は
チロシンが必須アミノ酸ではありません。

以上より、正解は 2 です。

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