公務員試験 H28年 国家一般職(化学) No.39解説

 問 題     

分子生物学研究等で用いられる技術に関する記述 ㋐~㋔ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ ノーザンブロッティングは、核酸の相補性を利用して、RNA の混合溶液から特定の塩基配列をもつ tRNA のみを検出する方法である。

㋑ サザンブロッティングは、核酸の相補性を利用して、DNA の混合溶液から、特定の塩基配列をもつ DNA のみを検出する方法である。

㋒ ウェスタンブロッティングは、タンパク質と核酸の相補性を利用して、タンパク質の混合物から特定のタンパク質のみを検出する方法である。

㋓ DNA マイクロアレイは、DNA の相補性を利用して、DNA の混合溶液から特定の塩基配列をもつ DNA のみを検出する方法で、DNA チップとも呼ばれる。

㋔ PCR法は、DNA の相補性を利用して、DNA の特定部位を短時間で大量に増幅する方法であり、PCR とはポリメラーゼ連鎖反応のことである。
 
1.㋐、㋑
2.㋐、㋒、㋔
3.㋑、㋓
4.㋑、㋓、㋔
5.㋒、㋔

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

㋐~㋒ですが、まずサザンさんによって
特定の塩基配列を持つ「DNA」を、相補性を利用して「DNA」を用いて検出する方法を開発しました。これが「サザンブロッティング」です。(㋑は正しい記述です。)

次に、同様の原理、つまり核酸の相補性を利用して、「mRNA」 を検出するのがノーザンブロッティングです。(tRNA ではありません。㋐は誤りです。)先にサザンがあったから、それにちなんだネーミングとして名付けられました。

最後に、ウエスタンは、タンパク質ータンパク質相互反応によるタンパク質の検出法です。(タンパク質と核酸ではありません。㋒は誤りです。)cf ウエスタン→牛→牛肉といえばとにかくタンパク質!という連想で思い出しやすいかもしれません。参考になれば幸いです。

㋓、㋔は、共に正しい記述です。

以上より正解は 4 です。
 
個人的には㋒☓、㋔◯で判断するのが容易です。㋐~㋒の似ている「方位名+ブロッティング」が 「何と何の組か」 及び ㋔について確実に覚えておきたい問です。

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