公務員試験 H28年 国家一般職(化学) No.37解説

 問 題     

生体を構成する物質に関する、記述 ㋐~㋓ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ タンパク質は、アミノ酸がペプチド結合で結ばれている高分子で、その構造と機能は連結しているアミノ酸の構成比によって全て決定される。

㋑ タンパク質を構成するアミノ酸の多くは、分子内に不斉炭素をもっており鏡像異性体が存在する。ヒトの細胞に含まれるアミノ酸はほとんどがL形である。

㋒ アミロースは、コメやジャガイモに多く含まれる多糖類でありその主骨格はグルコースがα-1,4結合で連なった構造となっている。またセルロースは、植物細胞壁等に多く含まれる多糖類であり、その主骨格はグルコースが β-1,4結合で連なった構造となっている。

㋓ グルコースには、一組の鏡像異性体が存在するがヒトが利用することができるグルコースは L 形のみである。

1.㋐
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

記述㋐は明らかに誤りです。
アミノ酸の「構成比」では特に決定されるものはありません。アミノ酸の「一次配列」すなわちどのアミノ酸がどういう順番でペプチド結合でつながっていくか が重要な情報です。

記述㋑、㋒は、正しい記述です。

記述㋓ですが
グルコースは不斉炭素が 4 つあります従って存在する鏡像異性体は、少なくとも1組ではありません。※24 で 16組となります。また、人が利用するグルコースは D ーグルコースです。

以上より、正解は 3 です。

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