問 題
精神分析学における心理−性的発達論(psychosexual developmental theory)に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.口唇前期には,母親の乳房に吸い付き独占しようとすることから,この時期に固着した人は,支配的で,攻撃的な性格特徴を示すとされる。
2.口唇後期には,味覚の発達や気分の変化による食べ物の好き嫌いが始まることから,この時期に固着した人は,口唇前期の性格特徴に加え,感情の移り変わりやすさが加わるとされる。
3.肛門期には,排せつを統制することや,自分の意志へのこだわりが生じることから,この時期に固着した人は,倹約家,頑固といった性格特徴を示すとされる。
4.男根期には,同性の子どもと遊び,競争相手として意識し始めることから,この時期に固着した人は,承認欲求が強くなる一方で,内的な葛藤を抱えやすいという性格特徴を示すとされる。
5.潜伏期には,学校や家庭での性役割が明確化し,性同一性の獲得が求められることから,この時期に固着した人は,男性と女性で性格特徴が異なり,男性は内向的で消極的な性格特徴を示すとされる。
解 説
選択肢 1 ですが
口唇前期における固着は、甘えん坊→「依存的」と考えられます。「支配的」ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
口唇後期、歯が生える頃における固着は、攻撃的と考えられます。口唇前期の性格特徴に加え「感情の移り変わりやすさ」が加わるという記述は妥当ではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
選択肢 4 ですが
男根期における固着は、尊大、自己愛的、虚栄心などにつながるといわれます。「内的な葛藤を抱えやすい」という記述は誤りと考えられます。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
潜伏期、思春期への固着があるのかという点は明確ではありません。選択肢 5 は誤りと考えられます。
以上より、正解は 3 です。
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