公務員試験 H27年 国家専門職(食品衛生監視員) No.5公衆衛生学Ⅰ(1)解説

 問 題     

疫学指標に関する記述 ①~⑤ について妥当なものには ○ を、妥当でないものには × をそれぞれ記せ。

① 「累積罹患率」は一定期間内に病気にかかる確率又はリスクを表す。

② 「有病率」とは観察しようとする集団の中で目的とする疾病にかかっている者の割合を,ある一時点でみた指標である。

③ 「致命率」は主として急性疾患の重症度を示す指標として使用される。

④ 「PMI(Proportional Mortality Indicator)」が大きい場合は総死亡者中高齢者の割合が高く健康状態がよいと考える。

⑤ 「罹患率」は患者の新たな発生を漏れなく把握することを前提条件としていない。

 

 

 

 

 

 解 説     

①は、妥当な記述です。
「累積罹患率」とは、ある年齢までに、ある病気と診断されるおよその確率のことです。0~64歳累積罹患率や、0~74歳累積罹患率がよく用いられます。

②は、妥当な記述です。
有病率は「静的な値」、いいかえればある瞬間におけるスナップショット的な値である点が特徴です。

③は、妥当な記述です。
致命率 or 致死率(CFR:case fatality rate) とは、患者数に対する死亡者の比率のことです。ちなみにですが致命率は、慢性疾患では有病期間が長いため、どのような期間設定を行うかが重要なポイントです。

④は、妥当な記述です。
類題は、他サイトとなりますが 99-18 です。

⑤は、妥当な記述と考えられます。
罹患患者を正確に把握するための公的資料は限られており、届出義務のある疾病以外の罹患患者についての把握は困難であることが現実的背景として存在します。

以上より、①◯、②◯、③〇、④◯、⑤◯ と考えられます。

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