公務員試験 H27年 国家一般職(農学) No.39解説

 問 題     

農業の高付加価値化などの推進に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 農林水産省では、農林漁業者、商工業者及びサービス業者が農林水産物の生産に取り組む、6次産業化を推進するため、同取組に向けた総合化事業計画の認定申請や、事業開始後の販路拡大などを支援している。同計画の認定を受けた場合は、農林水産物の地域団体商標を得ることができる。

2. 農林水産省及び国土交通省では、農山漁村に存在する資源を有効に活用するため農林漁業者と商工業者が互いの「技術」や「ノウハウ」を持ち寄って新しい商品やサービスの開発・提供販路の拡大などに取り組む事業計画を、農村地域工業等導入基本計画として認定している。

3. 地産地消とは、地域で生産された農林水産物をその地域内において消費する取組である。地産地消の取組により食料自給率の向上に加え直売所の取組などを通じて、地域の活性化流通コストの削減などの効果が期待される。

4. 地産地消の取組の核となる、農産物直売所の平均年間販売金額を経営主体別にみると、農業法人が運営する直売所の販売金額が最も高く、次いで生産者グループ、地方公共団体・第3セクター,農協による直売所の順となっている。

5. 平成24年末に6次産業化の取組を更に拡大・高度化させるため農商工等連携促進法*が施行された。このことを受けて、同法に基づく株式会社日本政策金融公庫が平成25年に開業した。
*正式名称は「中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律」

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが
「地域団体商標」は、原則として「地域名+商品・役務名」であるような商標で、通常の商標と同様に特許庁に出願して取得するものです。計画認定を受けた場合に得ることができるものではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
記述は「農商工等連携」に関するものです。「農村地域工業等導入」ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当な記述です。

選択肢 4 ですが
経営主体の上位は、JA,生産者グループです。農業法人が最も高いというのは妥当ではないと考えられます。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
日本政策金融公庫は 2008 年(H20年)に設立されました。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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