公務員試験 H27年 国家一般職(農学) No.8解説

 問 題     

糖料作物に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. サトウキビはイネ科に属する二年生草本である。メキシコとペルーが原産地であり両地域における交雑種が現在の栽培種となっている。
  2. サトウキビはイネと同様 C3 型光合成を行い高温で高い光合成能力を持つが水を十分に必要とし乾燥条件では光合成能力が著しく低下する。
  3. サトウキビの栽培法には新植と株出しがある。新植では2節ほどの茎を春又は夏に植え付ける。株出しでは収穫後の刈り株をそのまま放置してここから出る分げつを栽培する。
  4. テンサイは中国東北部で栽培化された二年生草本である。紀元前からショ糖抽出法が確立されて砂糖原料として栽培されていた。
  5. テンサイは冷涼な気候を好むため我が国における栽培はほぼ全て北海道で行われている。秋から翌年の夏にかけて冬を越して栽培される。近年直播栽培からより初期生育が安定している移植栽培に移行している。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが
サトウキビの原産地は東南アジアと考えられています。メキシコとペルーではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
サトウキビは C4 植物に分類されます。従って、C3 型光合成ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
サトウキビの栽培法に関する記述です。

選択肢 4 ですが
ドイツの化学者がビートの根から砂糖の成分であるショ糖を抽出したことをきっかけとし、砂糖原料として使用するため品種改良が行われ、現在のテンサイとなったという経緯が知られています。「紀元前からショ糖抽出法が確立されて砂糖原料として栽培されていた」わけではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
テンサイは近年、農家人口が減少に向かうことに伴い、省力化が可能な直播栽培が増加していることが特徴です。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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