問 題
水田と畑における栽培管理に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1. 我が国の水田は田越し灌漑やそれとは独立の排水路などを特徴とする基盤整備が進んでおり,平成24年において9割以上の水田が30a以上の区画に整備済みである。またこのうち更なる労働生産性向上のために1ha程度以上の大区画に整備された水田も3割に達している。
2. 本田準備としての代かきは砕土と均平を図るため3~4回行われるのが一般的である。代かきには土壌を均平にして田植え作業を容易にする漏水を防止する肥料の分布を均一にする雑草の発生を抑える団粒形成を促進するなどの効果がある。
3. 水田には洪水調節機能灌漑水による養分供給機能、地温調節機能、土壌の透水性が良いことなど畑地にはない機能・特徴がある。このような背景から我が国の耕地面積が減少傾向で推移する中、水田の面積は平成21年以降増加傾向で推移している。
4. 我が国の耕地の中心である水田を畑としても利用しムギ類マメ類などの畑作物を生産する田畑輪換栽培は耕地利用率を高める上でも重要である。また田畑輪換には雑草や土壌病害を抑制する効果がある。
5. 転換畑でダイズなどの畑作物を栽培する場合には乾燥によって著しい減収がみられることがある。このため近年では暗渠排水と地下灌漑を両立し地下水位を作物の生育状況に適した水位に制御し自在に田畑輪換を行う点滴灌漑システムの導入が進められている。
解 説
選択肢 1 ですが
9割も整備済というのはないだろう、と判断できるのではないでしょうか。選択肢 1 は誤りです。農林水産省 ” 農業生産基盤の整備状況について ”(H28年度版)によれば、30 a 以上に整備済は 6 割強です。また、1ha 程度以上に整備された水田は 1 割弱です。
選択肢 2 ですが
代かきが「一般的に3~4回」は適切ではないと考えられます。代かきとは、土をよく混ぜることなので、土を細かく砕く行為です。代かきの役割の中で「団粒形成の促進」は明らかに誤りです。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
耕地面積と共に、水田の面積も減少傾向です。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、妥当な記述です。
選択肢 5 ですが
記述は「地下水位制御システム(FOEAS : Farming – Oriented Enhanced Aquatic – System」についてです。点滴灌漑システムではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 4 です。
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