問 題
経済主体と経済の循環に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 家計は、消費を行う主体であり、財・サービスを企業や政府に提供し、その見返りとして賃金や利子を得る。企業等から得た賃金を所得といい、税・社会保険料を支払って残った中から消費支出を行う。貯蓄は消費支出に含まれ投資とは区別される。
- 企業は生産を行う主体であり機械設備と原材料費の二つの固定資本をもとに商品を作り他の企業や家計政府に販売して利潤を得る。生産活動を行うに当たって自己資本のみでは不足する場合等には株式を発行するなどして他人資本による資金を調達する場合も多い。
- 政府は一国の経済活動全体を調整する主体であり財政・金融政策を実施する政府機関として日本銀行がある。日本銀行は通貨供給量を適切に管理する役割があり日本銀行が保有している通貨をマネーストック企業や家計に流通している通貨をマネーサプライという。
- 資金が不足している経済主体と資金に余裕がある経済主体との間で資金を融通し合うことを金融という。貯蓄された資金は銀行預金や株式などを通じて企業の投資資金となりまた公債を通じて政府の財源の一部ともなる。
- 金融機関は経済主体間の資金を取り次ぐ役割を担っている。銀行が預金に現金と同等の機能を持たせ現金のやり取りを介さずに決済業務や為替業務を行うことを信用創造といいこれにより海外との商取引も可能となっている。
正解 (4)
解 説
選択肢 1 ですが、税金、社会保険料、貯蓄などは「非消費支出」に含まれます。「消費支出」ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが、企業は「資本、土地、労働をもとに」商品を作ります。「機械設備と原材料費の 2 つの固定資本をもとに」というのは明らかに誤りです。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが、日本銀行は「認可法人」です。「政府機関」ではありません。又、「マネーストック」や「マネーサプライ」とは、「金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量」です。保有通貨ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、妥当な記述です。
選択肢 5 ですが、「信用創造」とは、預金の貸付により通貨を創造できる仕組みのことです。よって選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 4 です。
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