公務員試験 H27年 国家一般職(教養) No.37解説

 問 題     

中国の思想家に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 孟子は人間は生まれつき我欲を満たそうとする自己中心的な悪い性質をもっているがそれを矯正することによって四つの善い心の表れである四徳が実現され誰でも道徳的な善い人格を完成させることができると説いた。
  2. 荘子は天地万物に内在する宇宙の原理(理)と万物の元素である運動物質(気)によって世界の構造をとらえた。そして理と一体化した理想の人格のことを君子と呼び君子が彼の理想の生き方であった。
  3. 荀子は人間は生まれながらにして善い性質をもっているが人間の性質を更に善いものへと変えていくためには教育・礼儀・習慣などの人為的な努力が必要であるとした。そしてこのような人為的な努力を大丈夫と呼んだ。
  4. 朱子は法律や刑罰によって民衆を治める法治主義の方が仁と礼を備えた理想的な人間である真人が為政者となって道徳により民衆を治める徳治主義よりも優れたものと考え政治の理想とした。
  5. 王陽明は人間の心がそのまま理であるとしその心の奥底に生まれながらに備わる良知のままに生きることを目指した。また「知は行のはじめであり行は知の完成である」と主張し知と実践の一致を説く考えである知行合一の立場をとった。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1,3 ですが、孟子性善説荀子性悪説 です。主語が逆です。

選択肢 2 ですが、君子を理想としたのは、孔子儒教です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 4 ですが、法治主義韓非子です。朱子は儒学者です。

選択肢 5 は、妥当な記述です。

以上より、正解は 5 です。

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