問 題
集団内のコミュニケーション構造が集団の生産性や成員の行動に及ぼす効果を検討するために、H.J.リーヴィットをはじめとする研究者によって、図に示すようなコミュニケーション・ネットワークモデルを用いた様々な実験研究が行われている。下図の四つのモデルを比較したときの結果に関する次の記述のうち、最も妥当なのはどれか。
1. 単純な課題の解決の速さと正確さは車輪型が最も優れている。
2. 最もリーダーが生まれやすいのはサークル型である。
3. 複雑な課題や作業変化への対応は鎖型が最も優れY型が最も劣る。
4. メンバー全体の満足度は車輪型が最も高い。
5. サークル型を除く三つのネットワークモデル内のメンバー個人の満足度は中心的位置のメンバーの方が周辺的位置のメンバーより低くなる。
解 説
車輪型(星型)では、C がリーダーです。単純な課題について課題解決に優れ、集団への組織化も速いです。メンバー間に上下関係ができ、リーダー 以外の満足度が低くなる特徴があります。サークル型は、課題解決は遅いのですが、満足度が高いです。星型とサークル型の中間的性質を有するのが、鎖型や Y 型です。派閥ができやすいといった特徴があります。
選択肢 1 は妥当です。
車輪型が単純な課題解決は速く正確です。ただし、満足度はリーダー以外低いです。
選択肢 2 ですが
リーダーが生まれやすいのは車輪型と考えられます。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
変化への対応に優れるのはサークル型です。最も劣るのが車輪型です。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
満足度が最も低いのが車輪型です。最も高いのがサークル型です。鎖型や Y 型は中間的な性質となります。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
車輪型において、中心的位置のメンバー「以外」の方が、満足度が低くなります。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1 です。
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