公務員試験 H27年 国家一般職(土木) No.13解説

 問 題     

高さ h の位置から小球を初速度 v で水平に投げたところ、水平で滑らかな床の点 A に落下してはね返り、再び点 B で床に落下した。

このとき、AB 間の距離として最も妥当なのはどれか。

ただし、小球と床のはね返り係数を e、重力加速度の大きさを g とする。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

初速 0 で、高さ h から自由落下した場合、床に付く瞬間の速度は √2gh 。これは知識として覚えておくとよいです。

ー補足ー

ちなみになんでそうなるかというと、自由落下なので、加速度は g 。速さ 及び 変位についての基本公式が

v = at 、x = 1/2 at2

変位についての公式において、x = h、a = g を代入すれば

h = 1/2 gt2

t について解けば

t = √(2h/g)

です。

従って、v = at の右辺の a に g を、t に√(2h/g)代入すれば

v = √2gh

となります。

ー補足終わりー

求めたいのは AB 間の距離です。横向きには、ずっと v で動いているから等速直線運動と考えれば、距離は vtです。

必要なのは「Aで跳ね返ってからB に到達するまでの時間」です。以下は、縦方向に着目して考えます。
(※物理ですごく重要な基本的考え方※『真横、真縦を、それぞれだけ注目して考える。』)

はね返り係数が e と言われたら、はね返った時に速度が e 倍になると考えれば OKです。

従って、A 点において1回めの床への衝突後、上向きの速度は e√2gh 。

A点以降において、縦向きの速度について下向きに重力加速度があるから、初速 e√2gh、加速度下向きに g です。

つまり、A点で跳ね返った後、時間が t 秒経った時の速度はe√2gh – gt と表されます。

ここで、e√2gh -gt = 0 となるような t を考えます。
※この式における 「t」 は「縦方向の速度が 0 になるような 」t です。

いいかえると、「A で跳ね返ってから最高点に到達するまで」にかかった時間です。

t について解けば

t = e√(2h/g)

となります。この t を 2 倍すればAB間にかかった時間がわかります。すなわち 2t = 2e√(2h/g) がAB間にかかった時間です。

AB間にかかった時間がわかったのでAB間の距離がわかります。横向きに等速 v で移動しているので、v×(2e√(2h/g))がAB間の距離です。

数字と文字の順番を変えれば、2ev√(2h/g)となります。

以上より、正解は 4です。

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