公務員試験 H26年 国家専門職(食品衛生監視員) No.5公衆衛生学Ⅲ解説

 問 題     

次の疾病のうちから主に経口により感染するものを二つ選び出しその番号を記せ。また選んだものについて症状及び予防対策を疾病一つ当たり8行程度で説明せよ。

① 日本紅斑熱
② A型肝炎
③ 腸管出血性大腸菌感染症
④ 野兎病

 

 

 

 

 

 解 説     

解答例)
経口により感染するのは「②、③」です。①、④は共に動物由来感染症です。それぞれ、ダニ、ノウサギを介して感染します。

A 型肝炎・・・症状は、発熱、全身倦怠感などに続き、食欲不振・嘔吐などの消化器症状、さらに肝機能低下による黄疸等が見られます。年齢が上がると症状が重くなる傾向があり、特に高齢者では重症化(劇症肝炎・死亡)することがあります。

予防としては、手洗いの励行などの一般的予防法に加え、ワクチンを用いた積極的予防法があります。0、2〜4週、24週経過後の3回のスケジュールで皮下または筋肉内接種を 行なえば、抗体獲得率はほぼ100%であり、防御効果は少なくとも数年以上続きます。

腸管出血性大腸菌感染症・・・症状は、激しい腹痛、下痢、血便などです。軽度の発熱も見られることが多いです。血便における血液の混入は次第に増加します。下痢などの初発症状発現の数日から2 週間以内に、溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome, HUS)、または脳症などの重症な合併症が発症することもあります。

予防対策としては、汚染食品からの感染が主体なので、食品を十分加熱したり、 調理後の食品はすぐ食べきるといった方法が有効です。また、ヒトからヒトへの二次感染に対しては、糞口感染であることから、手洗いの徹底等により予防できます。

コメント