公務員試験 H26年 国家専門職(教養) No.30解説

 問 題     

農林水産業・食料事情に関する記述A~Dのうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

A:我が国では耕作放棄地の増加を背景とした法改正による規制の強化等により農家以外の農業事業体のうち販売を目的とする法人経営体の数は平成24年は平成12年の5割に満たない。また農地面積全体に占める法人の農地利用面積の割合も減少し平成24年は平成12年の5割未満となった。

B:我が国の林業は昭和50年代以降木材価格が上昇傾向で推移したため経営の採算性が向上し平成23年の国産材(用材)の供給量は昭和55年よりも多くなっている。さらに輸出国における資源的制約や法的規制なども重なり平成23年の我が国の木材需要全体に占める国産材の割合は昭和55年の2倍以上に上昇している。

C:世界的な食生活の変化により世界の水産物消費量は減少を続けている。その結果マグロ類やクジラ類については国際機関で設定された資源回復目標を達成したことから従来の保存管理の方針が見直され2010年代に入りマグロ類については国際的な総漁獲可能量の制限や国別の漁獲可能量の割当てが撤廃されクジラ類については商業捕鯨の一時停止措置が解除された。

D:食品のトレーサビリティは食品に関わる事業者がそれぞれ食品の入荷先や出荷先の記録を残すことなどにより食品の生産から消費までの移動を把握できるようにする仕組みである。我が国においては牛及び米穀等(米及び米加工品)のトレーサビリティがそれぞれ法律によって導入されている。

1. A
2. A C
3. B C
4. B D
5. D

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

記述 A ですが、『食料・農業・農村白書』によれば、販売目的の法人経営体数は、増加傾向にあります。記述 A は誤りです。

記述 B ですが、『森林・林業白書』によれば、国産材の供給量は減少傾向です。記述 B は誤りです。

記述 C ですが、『水産白書』によれば、世界の食用水産物消費量は増加を続けています。記述 C は誤りです。

記述 D は妥当な記述です。

以上より、正解は 5 です。

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