公務員試験 H26年 国家専門職(教養) No.29解説

 問 題     

近年の諸外国の情勢に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 中国では2012年の中国共産党の全国代表大会において2020年までに国内総生産と1人当たりの国民所得を2010年比で倍増させる目標が掲げられた。また中国共産党指導部が世代交代し政治と軍を切り離す方針の下、総書記、党中央軍事委員会主席に習近平、薄煕来両氏がそれぞれ就任した。

2. 米国では2012年に大統領選挙が行われ政府の積極的関与による「公平な社会」の実現を唱えた現職のオバマ大統領が再選された。同日に行われた議会選挙では上院下院とも民主党が過半数を獲得し2010年から続いていた連邦議会の「ねじれ」が解消された。

3. 韓国では2012年に行われた国会議員選挙において与党セヌリ党が過半数を獲得しまた,同年12月の大統領選挙の結果同国初の女性大統領が誕生した。外交面では2012年に韓米自由貿易協定(FTA)が発効し中国とのFTA 交渉も開始された。

4. ミャンマーでは2011年に誕生した新政権が民主化に向けた改革を進め経済特区法の制定などの経済改革政策が行われた。民主化運動によって政治犯として収容されていた人々は釈放されたが民主化運動の指導者であるアウン・サン・スー・チーは改革の方向性をめぐって新政権と対立していたため政治参加が認められないまま議会補欠選挙が実施された。

5. フランスは農業生産額がEU 最大でありリーマン・ショック後の世界的金融危機の中でもプラス成長を維持していたが2011年に欧州経済危機の影響を受け第二次世界大戦後初めてのマイナス成長を記録した。翌年には17年ぶりに国民運動連合出身の大統領が誕生し経済回復を最優先として雇用の制限など緊縮重視の経済政策が実施された。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが、総書記、党中央軍事委員会主席 共に習近平さんです。 「薄煕来」ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが、アメリカでオバマ大統領は再選しましたが、ねじれは解消されていません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は、妥当な記述です。

選択肢 4 ですが、2011年 3 月発足した新政権は、アウン・サン・スーチーさんの政界復帰を認め、補欠選挙に出馬し、当選しました。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが、リーマン・ショックの影響を受けた 09 年、戦後最低の ー2.9% を記録しました。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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