公務員試験 H26年 国家一般職(農学) No.30解説

 問 題     

我が国における作物の害虫に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. ニカメイガはふ化した幼虫がイネの根を食害して成長し成虫は葉を食害する。我が国の多くの地域では年2回発生する。

2. アワヨトウは幼虫成虫ともにイネアワヒエトウモロコシなどを加害する。老齢になった幼虫は夜間は株元にひそみ昼間に出てきて食害する。

3. アブラムシ類は新梢や新葉などに群がり汁液を吸収し葉をしおれさせたり変形させたりする。アブラムシ類の生活史は複雑で1年の間に多くの生活型が現れるものが多い。

4. ヤノネカイガラムシはイネのえい花に寄生して汁液を吸収し玄米の品位を低下させる。雌は成虫で越冬し年2~3回発生する。

5. 果実吸ガ類は老齢になった幼虫が、夜間に、ブドウ、ミカンなどの果樹や、トマト、ピーマンなどの果菜類の果実を食害するガの一群を指す。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが
ニカメイガは水稲の「茎」や「芯葉」に食入して加害する害虫です。「根を食害」ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
老齢幼虫の昼夜が逆です。昼ひそみ、夜に食害します。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は、妥当な記述です。

選択肢 4 ですが
ヤノネカイガラムシは柑橘類の害虫です。イネのえい花に寄生するわけではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
果実吸蛾類とは、果汁を吸汁する蛾類の総称です。したがって、ピーマンは妥当ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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