問 題
イチゴの生理特性と栽培に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1. イチゴの果実は、植物学的には果托が肥大した痩果で、その表面に分布する偽果が植物学上の果実に相当し、受精により種子が形成されることで肥大する。
2. 一季成り性品種では、秋の短日・低温条件下で花芽形成前に休眠に入り、冬の低温により休眠が打破されてランナーを活発に発生し春に開花結実する。
3. 夏秋どり栽培では、春と夏に花芽形成する二季成り性品種をオーキシン処理することにより、端境期となる7~10月に収穫する。
4. 半促成栽培では、収穫期の前進を図るため、短期冷蔵処理、遮光処理、ジベレリン処理などにより強制的に休眠導入を早める。
5. ハウス内の二酸化炭素濃度は、低温期の施設を閉め切るような条件下では、光合成によって200ppm 以下に低下することがある。このような場合二酸化炭素の施用効果は高い。
解 説
選択肢 1 ですが
「果托」は、果実が乗っかっている部分のことです。「痩果」は、小さな乾いた果実のことです。イチゴの果実は、植物学的には、果托が肥大した「偽果」です。表面に分布する種子が「果実」に相当します。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
一季成りとは、冬から春に実がなり、その後は実を付けない、という意味です。春に開花結実した後に、ランナーを活発に発生します。「休眠打破→開花結実→ランナー発生」です。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
夏秋取り栽培では、一季成り性品種を冷蔵処理等で時期を調節したり、四季成り性品種を用いています。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
半促成栽培とは、生育後半にはハウスを取り除くということです。よって、選択肢 4 は妥当ではありません。
以上より、1~4誤りなので、正解は 5 です。
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