公務員試験 H26年 法務省専門職員 No.46解説

 問 題     

高齢者虐待に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 高齢者虐待防止法*1 が制定されたのは、総人口に占める 65 歳以上の高齢者人口の割合が 10 %を超え、高齢者に対する虐待が社会問題化した 1980 年代である。

2. 高齢者虐待防止法*1 において「高齢者虐待」とは家族・親族等によるものをいい、養介護施設従事者等によるものは含まれない。

3. 高齢者虐待防止法*1 において「高齢者虐待」に該当する行為は、身体的虐待、心理的虐待、介護等放棄、性的虐待の四つであり、経済的虐待は含まれない。

4. 厚生労働省の調査結果*2 によると、養護者による高齢者虐待について、被虐待高齢者から見た虐待者の続柄は「夫」、「妻」、「息子」、「娘」のうちでは、「息子」が最も多い*3。

5. 厚生労働省の調査結果*2 によると、養護者による高齢者虐待について、被虐待高齢者のうち、介護保険制度における要介護認定者は約1割である。

(注)*1 正式には「高齢者虐待の防止高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」
*2 平成24年度高齢者虐待の防止高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果
*3 1件の事例に対し虐待者が複数の場合がある。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ~ 3 ですが
高齢者虐待防止法は H17(2005)年成立し、翌年から施行されています。高齢者虐待の定義は「身体的虐待」「心理的虐待」「性的虐待」「世話の放任」に加え「経済的虐待」の 5 つです。養護者・養介護施設従事者等によるものが高齢者虐待であると定義されています。これらより、選択肢 1 ~ 3 は全て誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
多くが要介護認定者であろうと推測できるのではないでしょうか。約 1 割は少なすぎです。H27 年度調査によれば、養護者による高齢者被虐待者のうち要介護認定者は 7割弱です。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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