公務員試験 H26年 法務省専門職員 No.45解説

 問 題     

我が国における医療保険制度に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 昭和 40 年代に 70 歳以上の医療費の無料化が行われたが、財政上の理由から 2008 (平成20) 年にこの年齢が 75 歳以上に引き上げられた。

2. 2000 (平成12) 年の社会福祉基礎構造改革によって、社会保険方式の下で全ての国民が国民健康保険に加入する「国民皆保険」が達成された。

3. 診療報酬とは、保険医療機関及び保険薬局が保険医療サービスに対する対価として、保険者から受け取る報酬のことである。

4. 特定疾患医療給付制度とは、治療が極めて困難であるとして厚生労働省が定めた特定の疾病について、その医療費が高額に及ぶことから、所得や治療状況にかかわらず、治療にかかる医療費の全額を公費で負担するものである。

5. 国民医療費は、国民全体が1年間に医療機関などを受診して保険診療の対象となる傷病の治療に要した費用の推計であり、その額は 2006 (平成18) 年度から 2011 (平成23) 年度まで一貫して減少している。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが
2008 年から「後期高齢者医療制度」が始まり、75 歳以上がこの制度対象となりました。医療費自己負担は 原則 1 割です。75 歳以上に無料化が引き上げられたわけではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
1961 年に日本の国民皆保険は達成されています。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当な記述です。
診療報酬の定義です。

選択肢 4 ですが
特定疾病は「指定難病」に移行しています。そして、指定難病について公費負担の制度はありますが「所得や治療状況にかかわらず全額負担」といった制度ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
国民医療費は一貫して増加傾向です。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

コメント