公務員試験 H26年 国家一般職(行政) No.9解説

 問 題     

行政の在り方の見直しに関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。

1. 独立行政法人とは、国が自ら主体となって直接に実施する必要はないが、民間の主体に委ねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるものなどを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、平成13年に創設された制度である。同年に国の機関が独立行政法人に移行した際には,所属する職員の身分は全て公務員から非公務員に切り替えられた。

2. 民間委託とは、公的機関の業務等を民間企業等と委託契約を結び処理させる方式であり、効率化、民間の創意・工夫の活用が目的とされる。地方公共団体が設置する公の施設には、民間委託の一方式である指定管理者制度の適用が地方自治法により義務付けられており、公募により選定された民間事業者が管理運営主体となっている。

3. 市場化テストとは、国の公共サービスに関し、民間が担うことができるものは民間に委ねる観点から見直しを図るため、民間事業者の創意・工夫が反映されることが期待される一定の業務を選定して、その実施者を決定する手続のことである。近年では、市場化テストによる民間移管が進められ、各府省一律に行政機関が削減されている。

4. PFI とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う方式である。民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(いわゆるPFI 法)では、道路、鉄道、港湾、空港などの公共施設のほかに、庁舎、宿舎などの公用施設がその対象施設として掲げられている。

5. 行政事業レビューとは、中央府省が原則全ての事業について、予算の支出先、使途の実態を把握して、国民に明らかにした上で、事業内容や効果の点検を行い、その結果を予算の概算要求や執行等に反映させる取組である。点検結果については、勧告権をもつ第三者機関による評価が法的に義務付けられている。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
独立行政法人について、前半部分は妥当です。後半部分ですが「所属する職員の身分は全て公務員から非公務員に切り替えられた」わけではありません。公務員のままの身分である独立行政法人もあります。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
民間委託についての記述です。前半部分は妥当です。後半部分ですが、指定管理者の指定は行政処分であり、契約ではないので、公募対象とはなりません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
市場化テストとは、官民競争入札制度のことです。民間も含めた、官民垣根のない競争をする制度です。「民間事業者の創意・工夫が反映されることを期待される一定の業務を選定し、実施者を決定する手続き」という記述は妥当ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
PFI(Private Finance Initiative)についての記述です。

選択肢 5 ですが
前半部分は妥当です。行政事業レビューは、中央府省による事業の点検及び、結果の反映までを含む取組です。自己点検であり、外部の視点も活用していますが「勧告権をもつ第三者機関による評価が法的に義務づけられている」わけではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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