問 題
東南アジア又は南アジアに位置する国に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- ブータンは、インドと中国に挟まれている立憲君主制の王国である。同国は、隣国のインドとの関係が深く、長らく国の対外政策に関してインドの助言を受ける関係にあった。国民総幸福量(Gross National Happiness)を国家政策の指標としている国としても知られている。
- ミャンマーは、南シナ海に面した南北に細長い国土を有しており、国土の大部分はサバナ気候である。同国では、1962 年以来長らく閉鎖的な社会主義経済政策が採られてきた。1988年のクーデターにより成立した軍事政権以降も、同様の閉鎖的な経済政策が堅持され、現在も軍事独裁政権が続いている。
- バングラデシュは、国土の大部分がガンジス川とインダス川の両大河川が形成した肥沃なデルタ地帯となっている。同国では、肥沃な土地を利用したジュートや米の栽培が盛んであり、いずれも世界有数の生産量となっている。また、生産された米の多くは輸出され、同国の貴重な外貨獲得源となっている。
- スリランカは、国土は熱帯に位置し、国名は現地語で「光り輝く島」の意味をもつ。同国では、長らくムスリムが中心の多数派タミル人と仏教徒が中心の少数派シンハラ人との対立があり、2009年まで内戦状態が続いた。内戦終結後も国内の経済は低迷しており、コーヒーやカカオなどのプランテーション作物を中心とする農業依存型経済が続いている。
- ネパールは、ヒマラヤ山脈の南に位置する立憲君主制の王国である。同国は、山間部は高山性の気候であるが、南部の地域は降水量の多い温帯気候である。特に南東部のアッサム地方では、肥沃な土壌と温暖な気候を利用した茶と米の栽培が盛んである。
正解 (1)
解 説
選択肢 1 は、妥当な記述です。
選択肢 2 ですが「南北に細長い」ので、地域により大きく気候が異なります。従って「国土の大部分がサバナ(Aw)」ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが「米」の多くは「自国で消費」されるものです。輸出が行われることもありますが、バングラデシュの「貴重な外貨獲得源」ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが、多数派が仏教徒シンハラ人です。少数派がムスリム中心のタミル人です。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが、「アッサム地方」は、インドの一地域です。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1 です。
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