公務員試験 H25年 国家専門職(教養) No.28解説

 問 題     

我が国における再生可能エネルギーに関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 太陽光発電は、シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用し、太陽の光エネルギーを太陽電池で電気に変換する発電方法である。天候や日照条件などにより出力が不安定であるという欠点はあるものの、送電設備のない山岳地などでも活用できるという利点がある。
  2. 風力発電は、風の力で風車を回し、その回転運動を発電機に伝えて発電する方式である。発電コストが高く、エネルギー変換効率が低いという欠点はあるが、クリーンエネルギーとして注目されており、現在、我が国の再生可能エネルギーの中では、水力発電を上回って最も発電電力量が多い。
  3. バイオマス発電は、稲わらや建築廃材などの植物に由来する生物資源(バイオマス)を直接燃焼させて発電を行うものであり、発電時に CO2 が発生せず、大気中の CO2 を増やさないとされている。こうした性質を「カーボンオフセット」という。
  4. 地熱発電は、地中に蓄えられた地熱エネルギーを蒸気や熱水などのかたちで取り出し、タービンを回して発電する方式である。安定した出力を得るのが難しいという欠点はあるが、簡易な設備で発電が可能なため、開発コストは他の再生可能エネルギーに比べて安くなっている。
  5. 平成24 年7月から開始された「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」により、再生可能エネルギーで発電された電気は、国が買い取ることとなり、無償で電気事業者に供給されることとなった。このため、再生可能エネルギーで発電された電気量の分だけ電気料金は引き下げられている。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は、妥当な記述です。

選択肢 2 ですが、風力発電による発電量は水力発電を上回ってはいません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが、記述は「カーボンニュートラル」についてです。「カーボン・オフセット」とは、ある場所での排出を、別の場所での削減で、直接・間接的に帳尻合わせする考え方や活動の総称です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが、地熱発電の開発コストは現状、相対的に高いものとなっています。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが、制度の内容は、「再生可能エネルギーで発電された電気を、『電力会社が一定価格で買い取ること』を、国が保証する制度です。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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