公務員試験 H25年 国家一般職(化学) No.37解説

　問 題　　　　　

次の反応の出発物質である化合物 Ａ として最も妥当なのはどれか。

1. スクロース
2. マルトース
3. ラクトース
4. フルクトース
5. ガラクトース

 

 

 

 

 

　解 説　　　　　

生成物の鎖状の化合物に注目すると、OH 基であっただろうものが「右左右右」とあり、かつ 主鎖が C₆ である点からグルコースの誘導体とわかります。そして、環状の化合物は OH 基であっただろうものが「下上下」＋「下 or 上」という付き方なので、αーグルコース　又は　βーグルコースのそれぞれの誘導体と考えられます。

従って、共にグルコースからなる二糖類が出発物質である化合物 A であろうと推測されます。つまり、出発物質はマルトースです。

以上より、正解は 2 です。

ちなみに、スクロースは「グルコース＋フルクトース」の二糖類です。ラクトースは
「グルコース＋ガラクトース」の二糖類です。ぜひ重要な単糖類であるグルコース、ガラクトース構造について OH 基の付き方と C の数を覚えておくとよいです。グルコース、ガラクトースの構造は以下のようになります。

また、フルクトースについては「5員環　及び　6員環構造」　を共に取りうるような化学平衡状態にあること　及び　「鎖状構造において　C=O 基がある」ことを覚えておくと構造の判断が容易です。