問 題
α-シアノアクリル酸エステルに関する記述 ㋐, ㋑, ㋒ のうちから妥当なもののみを全て選び出しているのはどれか。なお、化学式中の R はアルキル基である。
㋐硬化剤の混合を要しない一液型の接着剤になる。
㋑カチオン重合により固化する。
㋒ポリエチレンのようなポリオレフィンと接着しにくい。
- ㋐
- ㋐, ㋑, ㋒
- ㋐, ㋒
- ㋑
- ㋑, ㋒
正解 (3)
解 説
構造から考えて、アニオン重合で固化すると判断できます。すなわち、CN (シアノ)基が電子吸引基として、二重結合に隣接していることが、アニオンの安定性に寄与します。
メカニズムとしては、開始剤である求核剤(Nuー)による攻撃を二重結合の左側から受け、二重結合部分の電子が押し出されてアニオンができます。するとそのアニオンが次の分子の二重結合に求核的にアタックし、以下順々に結合が伸長していくと考えられます。カチオン重合ではありません。㋑ は誤りです。正解は 1 or 3 です。㋐は正しい記述です。
㋒ですが
αーシアノアクリル酸エステルは、アロンアルファなどの接着剤に用いられる成分です。ポリエチレンやポリプロピレンにはあまりつきにくい といった知識があると、㋒ は正しいと判断できます。
以上より正解は 3 です。
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