問 題
温度 T [K] の理想気体 n [mol] を、最初の体積の 2 倍になるまでゆっくりと等温膨張させたとき、気体がした仕事として最も妥当なのはどれか。
ただし、気体定数を R[J/mol・K] とする。
- 1/2 nRT
- nRT ln2
- nRT
- 3/2 nRT
- 2nRT
解 説
理想気体というキーワードが出たらまず 状態方程式『pv = nRT』 を思い出します。p (pressure)は圧力、v (volume)は体積、T (Temperature)は絶対温度。Tの単位は K(ケルビン)です。
※ 摂氏○℃=絶対温度(○+273)K。n は物質量、R は気体定数です。基本的に定数と考えれば問題ありません。
本問では、最初の体積を V1 とすれば、2倍の体積、つまり 2V1 まで等温膨張させています。この時の気体がした仕事ですが仕事ときたら、まずは「力×距離」です。気体なので「圧力×体積変化」と読み直します。すなわち P × dV です。
ここで、PV = nRT より P = nRT/V と書き直すことができます。n,R は定数です。さらに等温膨張なので、Tも定数です。従って、nRT/V とは、1/V のようなものです。P を、Vを変数とした式で表せました。
以上より、求める仕事を計算します。
∫ P dv
=∫ (nRT/V) dv ※PV = nRT より。
=nRT ∫ 1/V dv ※nRT は定数なので外へ。
→nRT lnV です。※∫ 1/V = lnV なので。
V は V1 → 2V1 なので、定積分として計算すれば
[nRT lnV]V=2V1 V=V1
→nRT ln(2V1) ー nRTln(V1)
= nRT ln(2V1/V1) ※ln の引き算は、中身の割り算。
= nRT ln2 です。
以上より、正解は 2 です。
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