本の内容を簡単に…
スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい…Microsoft Wordを使ったことがある人の多くは、このタイトルを読んで痛いところを突かれた気分になるかもしれません。私も、書店で平積みになっている本書の表紙を見たとき、心当たりがありすぎて苦笑いを浮かべました。
本書のサブタイトルは「8割の社会人が見落とす資料作成のキホン」です。インパクトとしてはメインタイトルのほうが優れていますが、本の中身を表しているのは、むしろこのサブタイトルのほうです。
つまり、本書はWordの解説本(ハウツー本)というより、「読みやすく、かつ、編集しやすい資料の作成方法を解説した本」となります。資料作成のツールとしてWordやExcelを使いますが、これらの使い方の説明だけではなく、資料を作成する際の着眼点や考え方などの指南にも多くのページを割いているのが特徴的です。
著者はこんな方
著者は四禮静子さん。自身で立ち上げたマンツーマンのパソコンスクールの講師をしたり、企業の研修の講師をしたりしてパソコンスキルの普及に努めている方です。
ここで紹介する以外にも、ExcelやWord、Windows関連の著書をいくつか出版しています。ただ、ほかの著書にも目を通してみた結果、「スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい」が内容的に最も広く役立てられそうだったので、今回は本書を紹介することにしました。
おすすめのポイント
社会人になったら何かと文書作成の機会がありますが、学生のうちでも課題や実習のレポートを作ることはあると思います。学年が上がって研究室に入ったら、研究室によっては毎日のようにパソコンでの作業をするところもあります。
その際に問題となりがちなのが、レポートの中身に熟考して時間を掛けるならまだしも、レイアウトやデザインを整えるのに苦戦して多くの時間を費やしてしまう…ということです。
それが1回や2回ならともかく、レポートを書くたび体裁を整えるためにすごく時間を使ってしまう人は、これを機に、資料作成のノウハウを勉強してみるといいかもしれません。
ここで5時間や10時間を消費したとしても、将来的に無駄にする数十倍・数百倍の時間を思えば安いものです。パソコンスキルに限らず、将来への自己投資はやっておいて損はないと思います。
(※ 自己投資といっても、無理に意識高い系のヒトになるのを勧めているわけではありません…。あくまで、気軽にできてお得感があるスキルを身につけられたらいいね。っていう、軽い提案として受け取ってください。)
こんな考え方に同意できて、じゃあちょっと勉強してみたいな…と思った方には、この本を読んでみる価値があると思います。本書は、WordやExcelを使って資料や報告書をまとめる際の考え方・方法論を、以下の4章立てにして紹介しています。
- 「WordもExcelも、なんとなく使えてるよ」をやめなさい
~ 最大の味方「資料作成ソフト」を攻略する - 「キーボードを打つ速さだけに頼る」のをやめなさい
~ 作成速度を飛躍的に向上させる - 「ちょっとくらい文字や図がズレてもいい」をやめなさい
~ ビジネスにふさわしい整然とした見栄えにする - 「自分だけが扱えればいい」をやめなさい
~ だれでもどんな場面でも利用しやすい資料に仕上げる
ちなみに、WordやExcelの使い方を一から説明している本も多く出版されていますが、この本は上記の目次からわかるように、より実践的な内容になっています。なので、もし基礎的な部分から勉強したい…と思う方には本書はあまりオススメできませんので、ご注意ください。
こんな人におすすめ!
- レポートを書くときに体裁を整えるのにすごく時間が掛かってしまう人
- 文書作成時にスペースや改行を乱発している自覚がある人
- WordやExcelの初級レベルを身につけた人が、中級レベルになるために役立つ
- WordやExcelを一から学びたいなら、本書ではなくFOM出版の「よくわかる」シリーズがオススメ!
コメント