公務員試験 H28年 国家一般職(電気・電子・情報) No.36解説

 問 題     

待ち行列モデルに関する次の記述の㋐,㋑,㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「ある銀行にはポアソン分布に従って客が平均 5 分間隔でランダムに到着する。窓口は一つであり,一人の客への対応時間 Ts は平均 4 分の指数分布である。

この待ち行列モデルにおいて,単位時間当たりの客の平均到着人数を  λ(人/分),単位時間当たりの平均処理人数を μ(人/分)とすると、窓口の平均利用率 ρ は ρ = λ/μ と表すことができ,客が銀行に到着してから窓口でサービスを受け始めるまでの待ち時間 Tw は,ρ と Ts を用いて Tw=ρ/(1-ρ) × Ts と表せる。この式を用いると,現在の待ち時間Tw はおよそ ㋐ 分と求められる。

この Tw を削減する方策として,『窓口を二つに増やし,それぞれの窓口に客を並ばせる(ただし,Ts は変わらない)』という対応を検討することとなった。

窓口を二つに増やすとどちらの窓口にも平均して客が並ぶと想定されるため,各窓口への客の平均到着間隔はおよそ ㋑ 分となる。一方,それぞれの窓口における一人の客への対応時間 Ts は変わらないため,待ち時間 Tw はおよそ ㋒ 分となる。」

㋐ ㋑ ㋒
1 . 16 2.5 2.7
2 . 16 10 2.7
3 . 16 10 6.7
4 . 20 2.5 6.7
5 . 20 10 6.7

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

㋐ ですが
問題文より、Ts=4です。μ:平均処理人数 は「1人当たり平均 4 分」を 1 分あたり何人処理するかに直せばよいです。1 分あたりなら 1/4 = 0.25(人/分)となります。λ:1 分当たり平均到着人数 は、平均 5 分間隔で客が到着するので、1 分あたりなら 1/5 = 0.2(人/分)です。まとめると、Ts = 4、μ = 0.25、λ = 0.2 です。

従って
ρ = λ/μ = 0.2/0.25 = 0.8 です。
ρ = 0.8 より、Tw = ρ/(1-ρ) × Ts = 0.8/(1ー0.8) × 4 = 16 とわかります。


㋑ ですが
窓口が二つに増えたのだから、1 つの窓口に注目すれば客の対応をせずに次の客を待っている時間がより生じやすくなると考えられます。窓口 1 つの時、客が 平均 5 分間隔で到着していたのだから、5 分よりも長くなるはずです。選択肢より、2.5 or 10 なので「5 より大きい 10」 が妥当です。


㋒ですが
㋑ より 平均到着間隔が 10 分です。λ:1 分当たり平均到着人数 は、平均 10 分間隔で客が到着するから、1 分あたりなら 1/10 = 0.1(人/分)です。

ρ = λ/μ = 0.1/0.25 = 0.4 です。
ρ = 0.4 より、Tw=0.4/(1-0.4) × 4 ≒ 2.7 となります。


以上より、正解は 2 です。

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