公務員試験 H26年 国家一般職(農学) No.39解説

 問 題     

我が国の農業・農政の現状に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.平成24年の販売農家1戸当たりの平均経営耕地面積は都府県約5ha 北海道約10haとなっている。また認定農業者数は平成22年以降一貫して増加しており平成24年においては前年に比べて約5% 増加し約35万経営体となった。

2.法人経営体数は年々増加しており平成24年の法人数は10年前と比べて10倍以上の約14万5千法人となった。一方法人経営体の経営規模は縮小しており平成22年における全法人経営体数に占める販売金額が1億円以上の法人経営体数の割合は全体の約2% となっている。

3.平成24年における基幹的農業従事者の年齢構成をみると65歳以上が約4割を40歳以上65歳未満が約3割を39歳以下が約3割を占め世代間バランスがとれた状況となっている。地域別にみると北海道における高齢化率は比較的高くなっている。

4.近年道府県農業大学校の入学者に占める非農家出身者の割合は増加傾向にあり平成24年度は5割を超えている。また卒業生の就農率は5割程度で推移しており、平成24年度は雇用就農者数が自営就農者数を初めて上回った。

5.我が国の農薬と化学肥料の使用量を欧州各国と比較すると農薬については大きな差はないが,化学肥料については欧州各国と比べて2倍以上多くなっている。これは欧州各国における肥料の施用が土壌診断に基づいて最低限に抑えられているためである。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
都道府県は 2 強、北海道は 20 強です。また、認定農業者数は、上下しつつ横ばい傾向です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
法人経営体は増加し、大規模化の傾向が見られます。「経営規模が縮小して」という記述は妥当ではないと考えれます。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
基幹的農業従事者の年齢構成といえば、高齢者に偏りです。世代間バランスはとれていません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
温暖多雨で病害虫・雑草の発生が多く、農薬を使用しない場合の減収や品質低下が大きいといった実情を背景に「農薬」の使用量は欧州各国に比べ多くなっています。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

コメント