問 題
我が国における畜産物の利用に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.乳等省令*では、搾乳したままの牛の乳を牛乳、牛乳から乳脂肪分の一部を除去したものを低脂肪牛乳、水分の一部を除去して成分を濃くしたものを成分調整牛乳と規定している。
2.チーズは、乳中の脂肪球を凝縮させて乳脂肪分を 80 % 以上含有したものであり、プロセスチーズにはチェダーチーズが含まれる。
3.乳等省令では、アイスクリーム類の種類は、製造方法の違いにより、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの三つに分類される。また、成分規格には、サルモネラ菌の項目がある。
4.ベーコンはブタのバラ肉を、塩漬・くん煙してボイルしたものである。ロースハムはブタのロース肉をケーシングに詰めた後、くん煙してボイルしたものであり、塩漬は行わない。
5.卵黄は、熱による変性開始の温度が卵白より高く、硬くゲル化する温度は卵白より低い。これを利用して温泉卵が作られる。また、卵黄の乳化の働きを利用してマヨネーズが作られる。
* 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令
解 説
選択肢 1 ですが
成分調整牛乳は、生乳から水分、乳脂肪分、無脂乳固形分等の一部を除去し、成分を調整したものです。「水分の一部を除去して成分を濃くした」ものではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
チーズは大きくナチュラルチーズとプロセスチーズに大別されます。プロセスチーズは、ナチュラルチーズを原料として、粉砕 → 加熱 → 乳化させたチーズです。
チェダーチーズは牛乳を原料としたチーズです。ゴーダチーズと並ぶ、様々なプロセスチーズの原料です。ナチュラルチーズの一種です。「プロセスチーズにはチェダーチーズが含まれる」わけではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
アイスクリーム類の種類は「含まれる乳固形分と乳脂肪分の割合」による分類されます。「製造方法の違い」ではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
ベーコンとハムの大きな違いは加熱方法です。ベーコンの加熱方法は燻煙のみです。そのため「ボイルしたもの」ではありません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当です。
卵黄に関する記述です。
以上より、正解は 5 です。

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