公務員試験 2020 (R2) 年 国家一般職(農学) No.29 解説

 問 題     

昆虫の発生及び生活環に関する記述A~Dのうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A.ある発育ステージの発育速度は、その発育期間の平均気温と昆虫の発育零点の差に、発育日数を乗じて求められる。一般に、アブラムシの発育零点は、貯穀害虫の発育零点より高い。

B.アブラムシは、越冬卵を産むときに両性生殖を行い、それ以外の時期は単為生殖で増殖する。また、寄主転換する際や、生息密度の上昇などにより、有翅虫が現れることがある。

C.発育や繁殖に不適な季節を回避する適応方策として休眠がある。休眠は、多くの昆虫では日長で誘起され、休眠ステージは、カイコガでは卵、モンシロチョウでは蛹など種によって決まっている。

D.個体群密度の上昇により成長率が低下することを密度効果といい、トノサマバッタでは色が黒く産卵数の多い群生相が現れる。密度が低いほど成長率が高まることをアリー効果という。


1.A、B
2.A、D
3.B、C
4.B、D
5.C、D

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

記述 A ですが
D × (T – t0) = K です。発育期間の平均気温と昆虫の発育零点の差 (T – t0) に、発育日数 D を乗じて求められるのは、有効積算温度定数 K です。発育速度ではありません。記述 A は誤りです。正解は 3 ~ 5 です。


記述 B,C は妥当です。
アブラムシ、及び 休眠についての記述です。

記述 D ですが
密度が低すぎる場合の成長率低下が「アリー効果」です。密度が低いほど成長率が「高まる」ではありません。記述 D は誤りです。


以上より、正解は 3 です。

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