公務員試験 2020 (R2) 年 国家一般職(農学) No.26 解説

 問 題     

植物ウイルス及びウイロイドに関する記述 A~D のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A.植物ウイルスは、棒状、ひも状、球形など多様な形態をとるが、その大きさはどれも数十 nm である。また、ウイルス遺伝子として二本鎖 RNA を有するウイルスが約 7 割を占める。

B.植物ウイルスは、セルラーゼを合成して細胞壁を分解し、隣の細胞へと細胞間移行する。さらに、通道組織に達した植物ウイルスは、道管を通って全身へと長距離移行する。

C.植物ウイルスの定量法には、生物的定量法の一つである局部病斑法、理化学的定量法の一つである紫外線吸光度測定法、血清学的定量法の一つである抗原抗体反応を利用した ELISA 法がある。

D.ウイロイドは、外被タンパク質を持たない低分子の環状一本鎖 RNA から成る。また、多年生植物での発生が多く、伝搬経路は接触伝染と栄養繁殖による伝染である。


1.A、C
2.A、D
3.B、C
4.B、D
5.C、D

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

記述 A ですが
植物ウイルスは多様な形態をとり、大きさは 小さいものでは 径 20 nm 弱、大きいものだと 2 μm ほどのひも状ウイルスなどがあります。「大きさはどれも数十 nm」ではありません。また、植物ウイルスでは一本鎖 RNA ウイルスが多いです。記述 A は誤りです。


記述 B ですが
植物ウイルスは植物体表面についた傷や昆虫などの媒介生物により植物細胞に侵入します。侵入してから寄生細胞の力を借りないとタンパク質が合成できません。「植物ウイルスは、セルラーゼを合成して細胞壁を分解」するわけではありません。記述 B は誤りです。


記述 C は妥当です。
植物ウイルスの定量法についての記述です。


記述 D は妥当です。
ウイロイドについての記述です。


以上より、正解は 5 です。

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