問 題
作物の病害に関する記述A~Dのうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。
A.真性抵抗性では、病原菌の特定のレースと作物の特定の品種間で特異的に非親和性が成立する。その仕組みは遺伝子対遺伝子説によって説明されている。
B.静的抵抗性は、病原体の侵入によって植物組織に誘導される抵抗性であり、エリシターによってファイトアンティシピンや PR タンパク質などの防御物質の合成が新たに誘導される。
C.ムギ類赤かび病の病原体は糸状菌で、デオキシニバレノールやニバレノールを生産する。これらはマイコトキシンと呼ばれ、穎果中に蓄積し、それを摂食した人や動物に被害を及ぼす。
D.イネいもち病の病原体は細菌で、圃場では無性的に増殖し、空気伝染する。イネに付着するとかすがい連結を形成し、そこから貫入糸を形成して侵入する。
1.A、B
2.A、C
3.A、D
4.B、C
5.B、D
正解 (3)
解 説
記述 A は妥当です。
真性抵抗性についての記述です。遺伝子対遺伝子説とは、植物の抵抗性遺伝子と病原体の因子が 1 対 1 に組み合わさることで、病害抵抗性が決定されるという説です。
記述 B ですが
病原体の侵入により誘導される抵抗性は「動的抵抗性」です。記述 B は誤りです。
記述 C は妥当です。
ムギ類赤かび病についての記述です。
記述 D ですが
イネいもち病の原因は糸状菌です。細菌ではありません。記述 D は誤りです。
以上より、正解は 3 です。

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