問 題
表は、我が国における平成 30 年産の果樹 (ウメ、ウンシュウミカン、カキ、クリ、ブドウ) の収穫量及び収穫量上位 2 都道府県を示したものである。A~Eの果樹に関する記述として最も妥当なのはどれか。ただし、表中のデータは「果樹生産出荷統計」による。

1.Aでは、芽に寄生した越冬幼虫が春に急成長して芽に虫こぶをつくる虫害に対し、防除方法として、抵抗性品種や天敵のチュウゴクオナガコバチが導入されている。
2.Bは、接ぎ木やアブラムシによる虫媒で感染し、葉や果実に輪紋や斑点ができるウイルス病にかかる。我が国では 2009 年に初めてこのウイルス病への感染が確認された。
3.Cでは、硬核期の果粒基部に褐色の斑が現れる生理障害である縮果病が起こる。硬核期の遮光や適切な肥培・土壌水分管理で抑制できる。
4.Dでは、果肉部と果皮のアルベド組織との間に空隙が生じる生理障害である浮き皮が起こる。成熟期の温暖多湿で助長される。窒素の遅効きを避け、カルシウム剤やエチクロゼート剤の散布で抑制できる。
5.Eでは、成熟期に果実の基部とへたの接合部が溝状に裂け、その部分の果肉が黒変して軟化する生理障害であるへたすきが起こる。これは夏の乾燥後、秋に雨が多いと果実の成長が促進されて助長される。
解 説
まず表を見て A ~ E を考えます。
A:収穫量が圧倒的 → ウンシュウミカン
B:2位が奈良 → カキ
C:1位山梨、2位長野とくれば → ブドウ
D:ウメ 消去法で選べると思われます
E:一番収穫量が低そうなもの → クリ です。
選択肢 1 は、クリについての記述です。チュウゴクオナガコバチは、クリタマバチの天敵です。A はウンシュウミカンなので、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は、ウメ輪紋ウイルス (プラムポックスウイルス:PPV) によるウイルス病に関する記述です。B はカキなので、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
ブドウについての記述です。
選択肢 4 は、ウンシュウミカンについての記述です。D はウメなので、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、カキについての記述です。E はクリなので、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。

コメント