公務員試験 2020 (R2) 年 国家一般職(農学) No.14 解説

 問 題     

我が国の飼料作物及び牧草に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.我が国の飼料作物作付面積は、農家の高齢化による労働力不足などにより、この 10 年は減少傾向で推移している。飼料作物の収穫量は、近年、青刈りとうもろこしが牧草を上回っている。

2.青刈りとうもろこしはイネ科の C4 植物で、宮崎県、長崎県、鹿児島県などの九州地方での収穫量が多いのに対し、ソルガムはイネ科の C3 植物で、北海道が全国の収穫量の約 6 割を占めている。

3.我が国で栽培されるマメ科牧草には、アルファルファ、アカクローバー、トールフェスクなどがある。アルファルファは、耐乾性に優れているが維持年限は短い。

4.我が国で栽培される暖地型イネ科牧草には、ギニアグラス、チモシー、ローズグラスなどがある。ギニアグラスは、我が国で最も栽培されている暖地型イネ科牧草である。

5.我が国で栽培される寒地型イネ科牧草には、オーチャードグラスやイタリアンライグラスがある。これらの牧草は初期生育が早く生産性も優れている。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが
前半部分は妥当です。後半部分ですが、飼料作物の作付面積及び収穫量は大部分が牧草です。「近年、青刈りとうもろこしが牧草を上回っている」という記述は不適切です。選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 ですが
青刈りとうもろこしの収穫量が多いのは、圧倒的に北海道です。大体 60% 程度が収穫されます。他は栃木、宮崎、岩手などが多く「宮崎県、長崎県、鹿児島県などの九州地方での収穫量が多い」わけではありません。また、とうもろこし同様、ソルガムも イネ科 C4 植物です。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが
第 1 文について、アルファルファとアカクローバーはマメ科牧草です。トールフェスクはイネ科植物です。「マメ科牧草には、・・・トールフェスクなどがある」わけではありません。選択肢 3 は誤りです。ちなみにトールフェスクはオニウシノケグサとも呼ばれます。


選択肢 4 ですが
チモシーは寒地型のイネ科牧草です。暖地型イネ科牧草ではありません。選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 は妥当です。
寒地型イネ科牧草についての記述です。選択肢 3 ~ 5 に出てきた牧草を中心にまとめた表が以下になります。

以上より、正解は 5 です。

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