公務員試験 2020 (R2) 年 国家一般職(農学) No.9 解説

 問 題     

水稲の水管理に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.移植・活着期は、新根の発生を促し活着を良くするため水深 4 ~ 6 cm 程度にする。分げつ期には分げつの発生を促進させるため、水深 2 ~ 4 cm にして管理を行う。

2.中干しは、穂ばらみ期に落水して田面を乾かす作業である。土壌中に酸素を供給するとともに、地中の有害なガスなどを排出して分げつの増加を図る。

3.間断灌漑は、異常冷温や異常高温条件による不稔粒発生などの農業気象災害回避のために実施される。また、雑草発生の抑制が可能である。

4.掛け流しは水口と水尻を交互に開放し、定期的に水田内の水を入れ替えて水が長期間滞留しないようにする管理である。冷温による水温低下を抑え、冷害を軽減するために実施される。

5.穂揃い期に達すれば落水しても収量、品質への悪影響はない。コンバインなどの大型機械で収穫する場合、落水は地耐力向上のために穂揃い期に入ったら速やかに行う。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
移植・活着期、分げつ期の水管理についての記述です。


選択肢 2 ですが
中干しを行うのは、分げつが盛んな「最高分げつ期」です。穂ばらみ期ではありません。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが
農業気象災害回避のために実施するのは「深水管理」です。選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 ですが
掛け流しは、夏の高温障害対策として行われます。「冷害を軽減するため」ではありません。選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 ですが
早く落水しすぎると、玄米の充実が悪くなり、不完全米が増加します。「穂揃い期に達すれば落水しても収量、品質への悪影響はない」わけではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

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