問 題
穀類及び豆類の特徴に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.イネの穂は頭状花序で、穂軸から 1 次枝梗が分枝し、 1 次枝梗から 2 次枝梗が分枝する。うるち米のアミロース含有率は 15 ~ 25 % 程度であり、含有率が高いと粘りが強くなる。
2.コムギの小穂には 4 ~ 6 個の穎花がつき、普通系コムギでは小穂の最も基部の 2 穎花だけが稔実する。小麦粉は、デンプン含有率の高い強力粉は製パンに、低い薄力粉はケーキや菓子に適する。
3.オオムギのうち、穎果が内穎と外穎に癒着しているものを皮麦、簡単にはがれるものを裸麦と呼ぶ。六条オオムギは全て裸麦である。ビール用には二条オオムギの裸麦が用いられる。
4.ダイズの種子と莢が結び付いていた痕跡は臍へそと呼ばれ、品種により色が異なる。一般に、我が国で栽培されるダイズ品種は米国のダイズ品種より脂肪分が少なく、タンパク質含量が高い。
5.ソバは虫媒花で、雄花と雌花の間で受精が行われる。子実は三角錐形のものが多く、果皮に包まれている。ソバにはグルテンが約 70 %、タンパク質が約 10 % 含まれている。
解 説
選択肢 1 ですが
頭状花序のイメージは以下の通り (2019 no21 より引用) です。

イネの穂は異なると判断できるのではないでしょうか。選択肢 1 は誤りです。ちなみに、イネの穂は「穂状花序」です。また、アミロースについて含有率が高いと粘りが「弱く」なります。
選択肢 2 ですが
コムギは製粉したときの「粗タンパク質含有率」、特に「グルテン含有率」に基づいて、多いと強力粉、少ないと薄力粉のように分類されます。「デンプン含有率」ではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
裸麦 → 六条オオムギは成り立つのですが、六条オオムギには、ハダカムギもカワムギもあります。そのため「六条オオムギは全てハダカムギ」ではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
ダイズについての記述です。
選択肢 5 ですが
ソバはグルテンを含みません。「ソバにはグルテンが約 70 %・・・含まれている」という記述は不適切です。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 4 です。

コメント
正答を得るという観点ならば各選択肢に含まれる誤り箇所を1つ見つければ十分ですが、過去問を学習教材に使うなら誤り箇所を全て見つけることに挑まれると良いです。
1. 含有率が「低い」と粘りが強くなります。もち米はアミロースを含みません。
2. 1つの小穂に2粒のみ稔実するのは二粒系コムギです。普通系コムギ(パンコムギ))では3粒以上が稔実します。
3. ビール麦は二条「皮」麦です。
4. アメリカの大豆は油用、日本の大豆は豆腐などの加工食品用という用途の違いが、脂肪分およびタンパク質含有率の違いへ反映されたと思われます。
5. ソバは雌雄同花です。雄花と雌花の区別はありません。