公務員試験 2020 (R2) 年 国家一般職(農学) No.4 解説

 問 題     

我が国のイネの収穫及び乾燥調製に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.普通型コンバインは我が国で開発され、我が国で最も広く用いられている。イネの穂の部分のみを機械内に取り込み、脱穀する方式を採用している。

2.バインダは普通型コンバインを小区画圃場や変形圃場向けに小型化したものであり、脱穀まで行うことができる。また、ダイズなど豆類の収穫にも利用でき、汎用性が高い。

3.乾燥調製施設にはカントリーエレベータとライスセンタがある。前者は後者に比べて小規模であり、一般に貯蔵施設はないが、ダイズやソバの乾燥調製が可能である。

4.収穫直後の籾は高水分であり、出荷規格まで水分を低下させる必要がある。コンバイン収穫後の子実品質の低下を防ぐために、乾燥作業は収穫後できるだけ早く開始する。

5.籾すり作業で使用される機器は米選機である。この作業により籾殻とぬか層が取り除かれることで玄米となる。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
普通型コンバインは、作物を刈り取り「作物全体」を脱穀機が通過します。自脱型コンバインは「刈り取った穂先」のみ脱穀機を通過します。ちなみに、日本が開発したのは「自脱型コンバイン」です。選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 ですが
バインダは、稲や麦などの穀物の収穫作業で「刈り取りと結束を同時に行う農業機械」です。コンバインとの大きな違いは「脱穀を行わない」点です。「脱穀まで行うことができる」わけではありません。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが
ライスセンタは「もみの荷受 ~ 乾燥、もみすり、出荷等を行う施設」です。カントリエレベータは穀物の貯蔵施設の一種です。「前者は・・・、一般に貯蔵施設はない」という記述は不適切です。選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 は妥当です。
収穫直後の籾についての記述です。


選択肢 5 ですが
米選機 (こめせんき) は、収穫後の米から屑米や異物を除き、品質の良い玄米を選別する機械です。籾殻とぬか層を取り除き玄米にするのは「籾摺り機」です。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 4 です。

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