公務員試験 2019 (R1) 年 国家一般職 (農学) No.20 解説

 問 題     

花きの種類と特性に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.キクは、生態的特性によって分類されており、夏ギクは、電照や短日処理によって花芽分化時期を調節している。一般に、種子から発芽させた苗を栽培に用いる。

2.チューリップは、リンドウ科の球根切り花で、オランダで多くの系統と品種が育成されている。我が国のチューリップの切り花の産出額は、ここ数年、新潟県が最も多く、次いで富山県が多い。

3.ラン科植物の主な栽培種として、シンビジウム、カトレア、カサブランカなどがある。シンビジウムでは、需要に応じた出荷を行うため、山上げ栽培により開花を抑制する。

4.バラは、品種によって、高温によりブラインドが発生することがある。バラの苗木は、一般に、切り接ぎや芽接ぎによって作り、台木はマルバカイドウを用いる。

5.トルコギキョウは、生産されている品種のほとんどが我が国で育種されたものであり、F1 品種が多い。高温でロゼット化した苗は、低温によってロゼットが打破される。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが
キクは種子から育てると時間がかかるので、一般的に挿し木で繁殖させます。「一般に、種子から発芽させた苗を栽培に用いる」わけではありません。選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 ですが
チューリップは、ユリ科です。リンドウ科ではありません。選択肢 2 は誤りです。ちなみに、チューリップの出荷額が大きい県が新潟、富山であるという記述は妥当です。


選択肢 3 ですが
シンビジウムとカトレアはラン科ですが、カサブランカは、ユリ科です。「ラン科」ではありません。選択肢 3 は誤りです。ちなみに、シンビジウムの山上げ栽培は、花芽分化後に平地から高冷地に移し開花を「促す」栽培方法です。開花を「抑制」ではありません。


選択肢 4 ですが
ブラインドとは、分化した花芽が光線の不足などによって発育が悪く、完全な花にならない現象です。品種によっては高温で発生することがあるかもしれず、前半は妥当と思われます。

記述後半ですが、バラの苗木に使う台木はトゲナシノイバラが一般的です。マルバカイドウではありません。マルバカイドウは、リンゴの台木としてよく用いられます。選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 は妥当です。
トルコギキョウについての記述です。


以上より、正解は 5 です。

コメント